ある日、あるクライアントさんから
こんなお話をうかがいました。
家族と話しているうちに、
だんだんともめごとになってくる。
しょっちゅう、もめる。
何度も何度も、同じような言い合いになる。
いつも後味の悪い結果に終わってしまう。
なんで同じようなことが繰り返されるのか。
ずっとわからなかったけど、
でも、考えていったら、
自分に問題があることが見えた気がした。
「自分の思い込みで勝手に判断して
決めつけで行動してたのがいけなかった。
わかってても、相手にちゃんと確認をする。
そしたら、自分の問題だけではなくなる」
クライアントさんは、ご自身で
そうお考えになったとのこと。
確かに、一理ある考えです。
もう一度同じ状況がやってきたときには
もめずに済む可能性は大いにあるでしょう。
また、自分のよくなかった部分を見つめて
自分の行動を変えてみようと
お考えになったのが素晴らしいですよね。
◇
しかし、です。
ひととおり聴かせていただいた
もめごとになった状況の一部始終を
まるごと眺めてみると…
クライアントさんが
自ら引き出されたお考えだけでは
どうも足りないところがある感じがしました。
相手の言うことが明らかに理不尽なのに、
いつのまにか、その理不尽さをさておいて
ご自身の落ち度の面だけの範囲に
視点が絞られてしまっている。
ご自身は、ほんとうは、理不尽さに対して
ぜんぜん腑に落ちず、納得が行っていない。
それどころか、相手を許せないほど
腹立たしく、歯がゆく感じている気持ちを
知らずしらずのうちに
置き去りにしてしまったまま…
だからこそ、言い合いになった途端に
感情的ないがみ合いにとわわれてしまい、
果ては、話の流れが
まったく関係のないところへ
吹っ飛んでしまって泥沼化するという
パターンが繰り返されてしまう…。
カウンセリング中、敢えて流れを止めて
理不尽が生じた時点の事実を
再現するように確認してみましたら…
「ほんとだ!
なんか腑に落ちなくて
頭にきてたのはそれだー!」
クライアントさんも感じていたんです。
自分に一方的な落ち度があるわけでは
なかったにも関わらず…
という部分を冷静に見つめるところに
ひとりでは、限界があったようでした。
誰しも、自分ひとりだけで
気をつけるだけでは
どうにもならないことがあるのです。
◇
理不尽なもめごとの繰り返しを
断ち切るために、まず必要なのは…
『事実』と『気持ち』とを切り分けて
いったん、『事実』のほうだけを
観察してみることです。
「なんでいつもこうなるんだろう?」と
心がモヤモヤしているときは、
そのモヤモヤを引き起こす元になった事実と、
その事実に結びついている気持ちが
こんがらがった状態になっています。
このまま、どうにかしようと思っても
収拾がつくはずもない。
解決できるものも解決できなくなるのです。
こんなときは、敢えて、思い切って
『気持ち』をいったん切り離して、
『事実』だけを見つめてみることです。
見たこと、聞いたこと、言ったこと。
そこだけを、そのまま、観察する。
すると、理不尽さが引き起こされた
スタート地点が見えてきます。
事の発端、というヤツですね。
そこが見え始めると、
「そういうことだったのか!」
と、意外とあっさりと
解決への突破口が開けてきます。
事実に対して感じていた気持ちまでもが
スッキリと見えてきます。
理不尽なもめごとを未然に防ぐ方法は、
意外にもシンプルなことだった!と
いうことにも気づきます。
◇
理不尽さというのは、
「は?何言ってんの!?」というような、
怒りと呆れが入り混じった感情を
一瞬にして引き起こします。
一方、その理不尽さを引き起こすのは
道理にかなわない言動や行動です。
だから、その『道理にかなわない何か』が
引き起こされた時点の『事実』を見極めて、
その時点において、自分ができることを
見つける必要があります。
◇
あなたの被った理不尽な状況。
その状況によって引き起こされた
怒りや呆れ、または腑に落ちない気持ち、
後味の悪い結末、徒労感、虚しさ。
ただでさえ疲れてしまっていながら
ひとりだけで解決策を考えるのは
やっぱり大変なこと。
じっくりと、ていねいに、
一緒に切り分けるところからはじめましょう。
『事実』と『気持ち』を
切り分けることができたら、
これまでとは違った解決への新たな一歩へ
確実に踏み出せます。
◇◇◇
『なんのきの木かげ』では、
あなたのお話に寄り添うだけではなく、
ケアをして癒やすだけでもなく、
あなたが被ってしまっている
理不尽なもめごとの繰り返しを
どうしたら断ち切ることができるのか。
『事実』と『気持ち』を切り分けて
解決への道すじを一緒に見つけます。
「理不尽の繰り返しはもうたくさん!」
という気持ち、吐き出しに来てください。
そんなあなたのために
門扉を開けてお待ちしております。