いま、ちょっと時間あるかな?
ほんの数分でもいいんだ
そんなにまとまった時間を
つくるまでは、しなくてもいいから
休み時間になってからでもいいさ
そうだな、3分だけ
自分の呼吸に注意を集中してみて
ほかにはなんにもしない
自分の呼吸をコントロールしようとか
呼吸について考えようとしたりとか
なにかしようとは、しなくていいんだ
ただ、その間に
どんなことが起こるのか
どんなふうに感じるか
たとえば…
呼吸してて、鼻の中を
出入りする空気を感じるとか
胸、または、おなかが
呼吸に合わせて動くのを感じるとか
そういう自分を、自分で
観察してみるだけでいいの
ほかのこととか、考えとかに
気を取られたとしたら
呼吸に集中することに戻ればよし
あ、目はつぶってても
少し開けていても、どっちでもいい
目をつぶるのがオススメだけども
今、自然に心地いいほうでOK
ぼくも一緒にやるよ
こっちで時間測るから
じゃあ、スタート
………
………
はい、3分たったよ
おつかれさま
どうだったかな
この3分のあいだ
自分の呼吸に集中しきることは
できただろうか?
もしかしたら、いつの間にか
ほかのことが気になりだしたり
ぜんぜん違うことを考え出したり
呼吸に注意を向けていたはずが
別のほうへ注意が行っちゃった
なんてことはなかっただろうか?
そう、それでOKよ
呼吸に注意を向け続けきることが
ほんとうにできたなら、もちろんOK
そうでなかったとしても、OK
自分の呼吸に注意を向け続けるのは
案外難しいと思ったかもしれないけども
この3分の間
自分が感じたこと、考えたこと
思い浮かんだこと、気になったこと
あれこれに気づくことができて
こうだった、ああだった、と
そのまま認めることができたならOKなの
はじめは呼吸を意識していても
いつの間にか
他のことに意識が向いていく
…というふうになったとしたら
そうなってしまっている自分に
気づいて、
あ、いま、自分はこうだ
と、そのまま受け止めることこそが
ここでは肝心なことなんだね
◇
いま、やってみた
呼吸に注意を集中する、というのは
マインドフルネスで
最も基本の実践である
『呼吸を意識する』でした。
マインドフルネスの実践ワークは
わたしのカウンセリングでも
取り入れていて
クライアントさんと一緒に
わたしもやっています。
自分自身の心の声、身体の声を
そのまま感じ取って、受け止めて
自分を大切にできる効果があると
クライアントさんがたから
好評のお声をよくいただいています。
◇
マインドフルネスとは
かんたんに説明するなら、
《今、現在》の自分の
思考・行動・感覚を
ただ観察すること、です。
目の前にあるもの
心に浮かんだこと
すべてを
「今、ここにあるもの…」
「今、こう感じていること…」
と、そのまま、漂わせる感じで
今、ここにある、と、気づく。
ありのまま、意識する、自覚する、と
言ってもいいでしょう。
マインドフルネスの実践には
さまざまな方法があるのですが
いちばんの基本は
『呼吸を意識する』です。
呼吸は、わたしたちを
『今』につなぎとめてくれるもの。
《今、ここ》の自分自身を
そのまま、そのとおりに
意識できるようになればなるほど
目の前の現実を、ありのままに
みることができるようになって
その現実をゆがめずに、
そのまま受け入れることが
できるようになって
ひいては、問題や課題に、
適切に、粘り強く対処していける
自分になっていけます。
ただ、肝心なのは、
できるようになろうとしない姿勢
だったりもして…
禅問答みたいな
わかりづらさみたいなのが
あるものなんですが…
そういう、わからなさも
まるっと、そのまま、そのとおりに
受け入れましょう、ってとこですわね。
◇
普段、あまりにも
当たり前になりすぎてしまってて
見過ごしてしまったり
無視してしまってたりすること
そういうのって
いろいろとあると思うんですが
自分の呼吸とか、
呼吸し続けていること、なんてのは
最もたるものではないでしょうか?
あまりにも当たり前に
無意識にしてしまっていることを
ほんのひとときでも
敢えて、意識して目を向けて
そのまま感じ取る。
誰もあなたに代わって
あなたの心を
眺めることはできません
《今、ここ》に居る
あなたを大切に見つめる
あなたが、いま、そこにいます
《今、ここ》の居場所を
心のなかに
つくってあげましょう
◇
心に安心感と自信を養って
自分の課題にじっくり向き合って
ひいては、目標や願望を見つけて、
そこへ向かっていく自分になる
その一歩一歩となる、日々の習慣として
『呼吸を意識する』
ぜひ取り入れてみてくださいね。
もし、機会があれば
いっしょにやりましょう。